着々と準備は進む。

私と先輩の挙式に向けて着々と準備が進んでいる。
結納の件はすんなり決まった。父が母と一緒に菓子箱を持って農協の支店長に頼みに行ったのだ。
支店長は「そうなのか!もう、凛子ちゃんが結婚するのか!あの子がねぇ~~ それで相手は誰なのだ?」と興味深く聞いてたらしいと母が話してくれた。
そして母は「娘の会社のエリート社員です。ねえ、あなた。」と言ったらしい。
その時の父はずっと下を向いていたらしい。だから母が私に「お父さんって肝心なときは下を向くからイヤだわ~~。」と。
これってまるで私じゃない。やはり私の性格は父似だ。だけど母は父の事が好きで好きで駆け落ちまでしたんだから父にも一つは母が惚れるところもあったのだ。... ...それがどこか知りたい。
そして母はやはりリフォームにも口を出してきた。
母曰く「あなた達がずっと住むのだから和人さんと相談して決めなさい。」とは言うけれど母の口は二枚舌を持っているようだ。まるで違う。
次に家具や電化製品などの話しが出た。家具はまぁ良い。だけど電化製品を私の新居用に買うとなれば台所は別になる。私は勿論、別々など考えた事もないのだ。
だって、私が仕事から帰ってから夕食を作らなければならないじゃない。それに買い物や食費など色々としなくてはならない。そんな事、私には出来ないと思う。そこは専業主婦でもある母に任せたいというのが私の希望だ。あらかじめ、私たち夫婦の食費を母に渡して毎日の夕飯を作ってもらったほうが私たちの栄養も管理してもらえる。それに母のことだ。先輩に食べさせたい!という気持ちがきっと、あると思うからお肉も食べさせてもらえるだろう。... ...まぁ、私も甘い考えを持っているのかもしれない。




そんな事を考えているなんて私もまだまだ子供かも?
そんな私が結婚して果たして上手く行くのだろうかと不安に思うし、心配もある。
そして日曜日に先輩が来た。今では毎週、ウチへ来るのが日課だ。
そして新居は母屋の隣に新しい一軒屋と言うより別棟を作ってくれるのだ。
将来、子供は二人と決めているから子供部屋は二階、私たちの部屋は一階の二部屋を予定している。
だけど、母は母屋(両親と樹が住んでいる)と私たちの新居である別棟を行き来できるために渡り廊下なる物を作ると言い出した。
「お母さん、それ本気で言ってるの?ウソでしょう?」と私は言ったが先輩は「お母さん!良い考えですよ。それ、是非つけましょう!」と言う始末。
母も気を良くしたのか「そう~~!和人さんも、そう思うでしょう~~♪」とニコニコして言っている。私は何も言えずただ、ただこの二人は大丈夫か?と思ったほどだ。
私は樹に話したんだけど「ねーちゃん、オフクロは片山さんが婿に来る事が嬉しいようだ。でも、オレはこの家の跡取りなんだけどな... ...」と意味深に曰く。
きっと樹はこの家が先輩に乗っ取られるのではないのかと心配しているんだろうか?
「ねえ、樹。アンタはこの徳山家の跡取り息子なんだから先輩には好きにさせないわよ!お姉ちゃんに任せなさい!」と私は樹を励ましたのだ。
すると樹は「エッ?... ...ねーちゃん、違うよ!オレ、大学は県外に行きたいんだ。それにその県で就職するかもしれない。と、いう事はココには帰って来ないという事なんだ。でもオレは長男だし、一応は跡取りだろう。だから片山さんに悪いと思って... ...」
「... ...樹は就職はこっちでしないの?それに帰って来ないってどういうことなのよ!あんたは長男だよ。それにお父さんもあんたに期待してるんじゃないの。お母さんだって... ...」
「でも、片山さんがこの家に入るとなるとオレは何処へでも行けるってことじゃないのか?それにオフクロは片山さんとすっごっく仲が良いし。オヤジにはねーちゃんがいるから良いんだよ。」
「樹... ...じゃ、お姉ちゃんを置いてい行くの?」
「ねーちゃん!片山さんがいるじゃないか!可笑しいよ。」
「でも... ...樹...お姉ちゃんは樹と離れたくないよう~~~!」
私は樹の言葉にショックを受けて思わず樹に駆け寄っていたのだ。
そして思わず私は樹を抱きしめていた。
「ね、ねーちゃん... ... ... ...」
「樹、何処へも行かないで~~!」
「... ...ねーちゃん... ...」
樹はそう言って私を優しく抱きしめてくれた。

   
   「コンコン、コンコン。樹君、入るよ。」

「凛... ...凛子ちゃん... ...それに樹君も... ...」
「片山さん... ...ねーちゃん、片山さんだよ。」
「うん、分っている... ...」
「...君たちは、いったい何を... ...」
「片山さん、ねーちゃんに言って下さい。ねーちゃんが俺にこんな事をしているから片山さんが驚いてるよ。ねえ、片山さん。」
「り、凛子ちゃん... ...」
そして樹は私を放して先輩の、前にいる先輩に渡された。
「凛子ちゃん... ...」
「先輩、変なところを見せてごめんなさい。樹が家を出て行くって言うの。そんな事ってありえる?」
「樹君が家を出るって何故?」
そして私達は座って話したのだ。
「実は俺、大学は県外に行こうと考えているんです。そうなると俺は就職は向こうでするつもりです。ココには片山さんが住んでくれるし、俺は安心して出られるんです。それをねーちゃんはイヤだって言うし、俺は困っていて... ...」
「先輩、こんな事ってないでしょう!樹が家を出るなんて考えたこともないから、なんか悲しくなって... ...」
「そうなのか!(ニッコリ)樹くん、そう言うことならオレに凛子ちゃんとご両親を任せてくれ!ハハハハ・・・そうか!大学は県外か!そうか、そうか。(ニヤニヤ)」
「でも、樹がいないなんて... ...」
「凛子ちゃん、樹君が県外に行ってもココには帰ってくるさ。それに彼の将来を君がどうこう言えないだろう。」
「そうだよ、ねーちゃん。片山さんの言うとおりだよ。俺、休みには帰ってくるんだから。ねえ、片山さん。」
「そうだ!樹君の言うとおりだよ。君にはオレがいるんだし、樹君を笑顔で送ってあげないといけないよ。お姉さんなんだから、分ったよね?凛子ちゃん。」
「... ...うん。」
そして私は樹と先輩に説得されて?一応、樹の事を考えて納得したのだった。
それから先輩と樹は仲良く弟の進学の事を話し出した。
一応、樹が先輩に相談しているみたい。だけど私は樹がいなくなった時の事を考えると素直に喜べないのだ。
それに樹は先輩に「ところで、家は新築するんでしょう?」とか言う。それに対して先輩は「そうなんだ。お母さんが母屋と俺たちの家に渡り廊下を作ってくれるらしいんだ。良いだろう~~♪」
なんて笑いながら話している。
私は... ...私はこんな楽しく話している男達って信じられない!
悲しんでいる私なのに... ...
もう~~!私の気持ちも知らないでバカ!!

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by everlasting-lif | 2015-02-23 00:18 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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