報告、その3

昨日、小山さんから結婚告白らしきものされた。
私は驚いたというか戸惑いを覚えたのだ。だって小山さん、怖かったんだもん。
急に手を握ってきたりして... ...
きっと、綺麗な魅力的な彼女さんに振られたんだ。だから悲しさを紛らわすために私と結婚だなんて思ったのかもしれない。でも、結婚って大事なものでしょう!私なんかでいいの?そんな簡単に決めてもいいの?
だけど、私は結婚そのものを考えたことがないし。私はただ「男性との交際」がしたかっただけだし。でも小山さんも色々とあったのね。
私も色々と考えたけど家族には勿論、伝えた。
樹は「エッ?小山さんと別れるって本当?」と驚いていた。
「小山さんって結婚に焦っているみたいで怖いの。」と私。
「でも、良かったじゃん。ねーちゃんも一応、男女交際というものを経験したんだからさ。それにこの付き合いは言わば『貴族と農民』みたいな恋愛遊びみたいなもんだろう。」とまで樹に言われ、何故か納得した私だ。
「良かったわ~~~!凛ちゃんには小山さんは似合わないわ。」と、母曰く。
「そうか!ヤツと別れるのか!良かった、良かった!凛子には悪いけど、俺はヤツがどうも好かん。今だから言えるんだが。」と父は機嫌がいい。
結局、私と小山さんの付き合いは家族から好まれていなかったんだという事が分っただけに「別れるべき」という答えが出たのだ。
そしてこの結論を心配してくれている三課の先輩たちに報告しなくてはならない。
そして翌日になり私は会社へ... ...





「皆さん!報告があります。」
「何?良いことでもあったの?」と俵女史。
「凛子ちゃん、どうしたの?」と令子先輩。
そして三課の先輩たちが私の周りに集まってきたのだ。
「私、徳山凛子は来週を持ちまして小山光さんと別れます。以上!」
「... ...別れるって、凛子ちゃん... ...」と令子先輩。
「凛ちゃん、小山と別れるって勿体無い。」と俵女史は言うけど。
「そうか!小山と別れる決心をしたのか!」と専務が言った。
「小山が浮気でもしたのか?」と新藤先輩。
「また急だね。」と小野先輩。
「凛子ちゃん、ご両親と弟さんはなんて仰っていらしたの?」と令子先輩が聞く。
「そうだよ!凛子ちゃんのご両親はさぞかし悲しまれているのじゃないの?」と早乙女先輩。
そして先輩たちも口々に何か言っています。さっきより皆は私を取り囲むように迫って来た。
そして何故か、みんなの目がキラキラしてるように見えるのは私の見間違いか?
「あの... ...両親と弟は『良かった!』って言いました。」
「... ...プッ!クククク・・・・・」
「良かったって... ...何それ!クッ!クククク・・・・」
「アッ!ハハハハハ・・・・・徳山、お前の家族は面白いなぁ~~~!」
私は皆に正直に話しただけなに何故、こんなに笑われるのかが分らん。
「徳山、ところでヤツにどう話すんだ?」と専務が仰いました。
そうなのよね。私が一番、考えているのが「理由」なのよ。
小山さんを傷つけたくないし。でも別れ話しをしなくてはならない。
「あの~~、皆さんに相談なんですが、小山さんと別れる尤もらしい理由って何かありますか?もし、あればお教え願いたいのですが。」と思い切って聞いてみた。
「別れる理由か... ...そうだな正直に今の気持ちを言えばいいんじゃないのか?」と専務。
確かに私も正直に小山さんに言いたい!だけど、言えない。
「専務の仰ることは尤もなんですが、私、なるべく小山さんを傷つけたくないんです。だから傷つけない理由ってありますか?」
「傷つけない理由か。う~~ん、難しい。山田、何か良い理由はあるか?」
「そうだよな。別れ話しをするほうだろう?傷つけないっていうのは難しい。藤堂さん、何かありますか?」
「会社を辞めるっていうのはマズイし。」
「やはり凛子ちゃんの気持ちをありのまま言う方が良いんじゃないかしら?皆、どう思う?」
「でも、それは避けたいと彼女の希望だろう須藤。」
「他に方法はあるの?... ...そうだ!専務。専務は良い理由が思い浮びますか?」
「無い!俺に聞くな。」
皆さん、私のために色々と知恵を絞ってくれています。色々な理由を考えてくれている先輩たち。だけど、私に都合の良い理由が思い浮ばない三課の先輩たちなのです。
やっぱり私の本当の気持ちを伝えてほうが良いのかもしれない。
傷つかない言い訳なんかあるわけがないんだ。

  「みんな、集まって何をしてるんだ?」

私も含めて専務ならびに先輩たちはギョッとした顔で振り向けば、そこには片山先輩が立っていた。
ホント、この人は何か問題があるときを狙って顔を出す。
まるで超能力者か?
だけど私、みんなに小山さんと別れる理由をまだ言ってないけど良いのかな?


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by everlasting-lif | 2014-05-17 00:53 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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