三回目のデートにて。

私は小山さんから三回目のデートに誘われた。
過去二回で私は思ったのだ。
彼は優しい。そして何よりも人の話しを聞いているようで聞いていないみたいな感じ。
それに彼は金持ちのボンボンで私は庶民。それに私にとって小山さんって何だろうってね。
私はただ「恋人」という言葉に憧れていたのかな?
第一、私は彼の彼女の多数だし。
彼は「好きだから。」と言ってくれるけど... ...
でも、彼と話していると疲れるのよね。それに話題も少ないし、私は気を使うわけよ。
その点、片山先輩だと話題も豊富。まぁ、共通の話題があるものね。それに楽しい。
食べるときだって好きなものを気にせずに先輩と... ...
あれ?なんで小山さんと片山先輩を比べてるんだろう?
分からない。







小山さんから連絡アリ。
それに何故かデートに樹も一緒にって事なの。
私は樹に話したけど樹は「まさか!なんで、ねーちゃんのデートに俺も同伴しなくちっちゃならないんだ!おかしいだろう。」と言う。
それは私も同感。でも小山さんからの「お願い」だから。
そして樹は「ねーちゃん、彼氏ってどんなヤツなんだ?」と。
「小山さんって... ...よく分かんない。」
「... ...ねーちゃん、彼氏のことが好きなのか?」
「よく分かんないの。」
「ねーちゃん。じゃ、なんで付き合ってるの?」
「... ... ... ...」
「よし!俺、ねーちゃんのデートに付き合うよ。彼氏にそう伝えておいて。」
「樹~~!ありがとう。」
そして私は樹と一緒に小山さんと約束の時間に駅で待った。
この日は彼、車で迎えに来てくれた。その車は白い小さな車。樹曰く「FIATだ!」そして「すげな~~!」とも。
私は樹が言った車の種類なんか皆無なのだ。なんせ私は車なんて雨風しのげて動けばいいと思っているもの。
「徳山さん、今日は無理を言ってごめんね。そちらが弟さん?」
「初めまして。樹と言います。」
「初めまして。僕は徳山さんと交際している小山光と言うんだ。よろしくね。」
「こちらこそ宜しくお願いします。そして今日は姉のデートに一緒でも良いのですか?」
「ハハハハ・・・・構わないよ。僕だって人数が多いほうが楽しいからね。」
そして私は樹と一緒に後部座席に乗ったわけなの。樹は座って直ぐに車の中をキョロキョロと見回している。樹よ、そんなにこの車が珍しいのか?お姉ちゃんは恥ずかしいよ!
その時、小山さんは「徳山さん、どうして僕の隣に座らないの?」と言うけど、助手席ってさ怖いもの。もし、事故でもなったら私の命はどうなるかだもん。樹も目で「俺の横」と言っているようだったし。「徳山さんはどこか行きたい所がある?」と小山さんはいつものように聞いてくれる。
でも私ははっきり言ってどこでも良いの。だから樹に「どこか行きたい所ってある?」と聞いたの。
樹は「俺、第三者だから二人の後に付いて行くだけだからさ。」と答えになっとらん!
「じゃあ、海に行こうか?」と彼。
「そうだな。ウチって山ばかりだから海は珍しいものな。ねーちゃん。」と樹。
「そうね。じゃ、海へ。」と私。
しばらく走ること一時間。私にはここが何県で何市なのか分からないし。
すると樹が「ねーちゃん!海だ!」と叫んだのだ。
「うん、海だね。」と私は言ったんだけど。それほど海は珍しくもない。
樹は「嬉しそうじゃないんだね。」と小声で私を指摘した。
海ってなんか見てるだけのほうが好きだな。
「徳山さん、少し海辺を歩く?」と小山さん。
「俺!歩きたい!」とはしゃいでいる樹なのだ。
だから「小山さん、私も海辺が歩きたいです。」と私。
それから小山さんは車を停めて私達は海辺に歩いて行ったんだが、風がきつい!
足元は砂で歩きにくいし、おまけに髪はバサバサだ。こんなことなら髪をまとめて長靴でも履いてくるのだったわよ。
樹は先に歩いているし小山さんは私に歩調を合わせてくれる。時々「手を貸そうか?」なんて言ってくれるけど、そんなことは言葉にしなくてリードしてくれるもんだ。彼氏なら。と本に書いてあったぞ!
こんなとき、片山先輩なら「ほら!」と言って手を差し伸べてくれるんだろうな。
そんなことを思いながら、ただただ当てもなく歩く私なのだ。
歩いているときに小山さんは「「それにしても樹君は元気だね。彼、海が好きなのかな?」
「そうですね。」
「徳山さん、海って嫌い?」
「えっ!... ...嫌いじゃないですけど... ...」
「でも、いつもの徳山さんじゃないみたいだけど。」
「... ...ほら、歩くと砂が靴に入っちゃうんですよね。それがイヤかな?」
「... ...(疑問詞)」
「小山さん。樹を海に連れて来ていただいてありがとうございます。」
「何も樹君のためじゃないんだけどな。徳山さんは海が好きかな?なんてね。」
「ありがとうございます。」
それから私と小山さんは無言が続いた。本当に今日の私はおかしい。
そう、小山さんとデートをしていてもちっとも楽しくない。でも、小山さんは絶対に私の気持ちを感じさせてはならないのだ!
そして私は今日、何故 樹もデートに誘ったのかを彼に聞いたのだ。
「小山さん、今日はどうして弟まで誘って下さったのですか?」
「ハハハハ・・・・ただ徳山さんの弟さんと話したくなっただけだよ。だって姉弟仲がいいだろう。珍しいよね。」
「そうかな?どこの家でも姉弟の関係って仲が良いと思いますけど。小山さんには兄弟はおられないのですか?」
「残念ながら僕は一人っ子なんだ。だから樹君のような弟がほしいよ。」
「じゃ、片山先輩と一緒ですね。」
「... ...(片山... ...なんで片山和人が出てくるんだ?)」
「そうだ!小山さん。じゃ、樹を貸してあげます。」
「ええっ~~!貸すって... ...」
「ハイ!」
「でも、樹君は?彼は納得するかな?」
「多分、大丈夫だとは思いますが。大丈夫でしょう!フフフフ・・・・」
「徳山さん... ...僕... ...」
そして私は樹を小山さんに「弟」として貸してあげることにした。
きっと樹も「お兄ちゃん」というものを経験したいはずであろう。
小山さんも「弟」がどんなものか知りたいと思う。
そして樹と色々な話しをすればいい。
その間、私は一人になって... ...一人になって...一人で考えたい。
だって今日は片山先輩のことばかりを考えてしまうから。
... ...どうしたんだろう?私。



[PR]
トラックバックURL : https://nasatayo.exblog.jp/tb/20549597
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by everlasting-lif | 2014-04-07 00:33 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


by everlasting-lif
プロフィールを見る
画像一覧