閑話 三課の慰安旅行。(中)

三課の先輩ならびに専務はお昼ご飯も取らずに飲んでは寝てのバスの中。
高速から降りてからの道はだんだん道幅も細くなりアスファルトもデコボコのためバスの中では揺られぱなしで山の中。そしてやっとの事で無事に温泉街に入り私達が宿泊する旅館に到着。
私は疲れた!早く部屋へ入ってゆっくりしたいのが今の正直な気持ちなのだ。
バスから見える旅館は「これぞ!高級旅館!」という趣のある立派な建物。
そしてバスが玄関に到着するや否や大勢の仲居さんと女将さんらしき女性がいっせいに頭を下げてくれている。
専務は「今日はヨロシク頼むよ。女将」と言った。「女将」ってよほどの常連客でないとそんな言葉は出てこないのではなかろうか。
女将さんも「はい。お任せ下さいませ。」と満面の笑みでの応対だ。
そして中へ入ってみると、これまた凄い!まぁ田舎の家とも言うべきか日本建築そのものだ!天井を支えている梁がもの凄い威圧感がある。吹き抜けと言うのだろうか天井も高い。
そして到着した頃の皆さんと言えば酔いも醒めて普通に戻っていらっしゃるから凄い!コレって三課のみんなの特技なんだろうか?あまりにも素早い変身で凄すぎるではないか!
私は心ウキウキで仲居さんに案内されて部屋に。部屋は女性三人が同室。当たり前だが。
部屋に入ってみると窓から見える景色は山の紅葉が早く進んでいて絵葉書とでも言うべきか、すばらしいのだ!それに部屋も格式があるような気がするし今まで泊まったことのない旅館。私的には一番だ!
男性陣は二部屋を使うらしい。どんな組み合わせかは知らない。これも当たり前だが。
そして旅館に着けばお風呂だろう。バスの中での疲れを取るには最高だよね!とお風呂に入りたい気持ちはピークに達していたのよね。
だけど専務は私たちの部屋へ来て仰った。「荷物を部屋に置いたら旅館のロビーに集合!」と。
時刻は夕方の4時前だ。夕食は7時。ロビーに集まって何があるんだ?
そしてロビーに集まった私達に専務はとんでもない言葉を仰ったのですよ。



「さあ~~!夕食まで皆で散歩に出かけようではないか!」と。
「行きましょう~~~!」と皆さんは言う。
なんで今、この時間に散歩など行かなくてはならないのだろうか?それも三課全員でだ。
「私は行きたくありません」などと死んでも言えない。だから行くしかないと。
専務はこの温泉町に来たことがあるのかは知らないが「俺に付いて来い!」と言う。それに先輩達も「分かりました!」と言って一列になって歩き出したのだ。中には鼻歌が出る者一名。デジカメで撮る者一名。私はと言うと訳が分からないから、ただ皆のあとを歩いている。そして専務はやっぱりビールを飲んでいる。飲みながら歩いているのだ。専務が歩いているのは旅館からだんだん離れていっているような気がするし、まるで山道を歩いているように思えるのは私だけか?
そして、どこをどう歩いているのか分からないような専務の顔。それに私は足が痛いし。
もしかして私達は迷子になったのではないのか?それに専務は小高い場所から旅館を探している様子に見えるし。
それよりか私は気になっていたことがあるのだ。それは専務の腰に何か付いてる。そうだ!車なんかに備え付けてあるドリンクホルダー... ...なんで腰なんかにホルダーがあるの?それもズボンのベルトに巧みに備え付いていではないか!
私は思い切って専務に聞いた。
「ああコレか?これはだな、手でビールの缶を持っていたら危ないだろう。だから腰に装着できれば両手が空く。だから何かあっても心配はないわけだ。カッ、カカカカカ・・・・・!」と仰った。なるほどと思いながら歩いているんだけど、こんな時に何も飲まなくってもいいだろうに!専務さん。
そして林というか雑木林の中に迷い込んだ私達一行。秋の夕暮れと言えども日が落ちるのは早い。そうなのだ!だんだん、暗くなってきているのだ。だから私は不安を覚えるが先輩達は何食わぬ顔で「やっぱり秋ね~~♪」なんて悠長なことを仰っておられます。
そんなときに専務が「あったぞ~~!この階段を下りれば旅館まで直ぐだ!」と。
その階段と言ったら長い。まるでどこかの寺の門まで続いている様な階段。
所々に街灯が階段を照らしている。はっきり言って階段、怖い!
専務は一番に「よし、この階段を下りれば良い!」」と言って階段を駆け下りたのだ。まるで自分に言い聞かせているみたいに思えるのは私の気のせい?もしかして専務も怖いのはなかろうか?
そして私たちが階段を下りているときに「ワァ~~!」と悲鳴が聞こえたのだ。
その悲鳴は先に階段を下りていた専務のお声。そんなことで専務のいるところまで下りると専務は倒れていたのだ。腰のビールは専務からして数段下の階段で転がっている。
「専務...専務、大丈夫ですか?」と私が声をかけると玲子先輩は「凛子ちゃん、ほおっておきなさい。いつもの事だから。それよりみんな~~!夕飯に遅れるわよ。行きましょう!」と言って私たちは専務をその場に置き去りにして各自、旅館に帰ってきたのだ。
そして私と玲子先輩、俵女史は温泉に浸かりながらゆったりした時間を過ごした。
それから時刻は夕飯に。
宴会場まではいかないけど三課の全員が入れる部屋にお膳が並んである!
私は玲子先輩の隣に座らせてもらったのだ。この座る位置は決まっないんだって。だから各自、好きなところへ座ればいいんだって。三課のみんなが揃ったところで「今日はお疲れさん!今宵は大いに飲むように!」との専務の音頭で乾杯だ。
でも、よくよく見ると専務は下座で玲子先輩や俵女史、そして新入社員の私までもが上座に座っている。これってどうよ!おかしいでしょう。なのに男性陣は何も言わないのも不思議だわ。
そうだ!専務よ。専務、あれからどうしたんだろう?一人取り残された階段で... ...怪我もたいしたことがなさそうだし。まぁ、頬に少し擦り傷があるだけで頑丈な人だよ。まったく!
そして私は待ちに待った料理だ!
この旅館は山に囲まれているから山の幸だらけ。それにキジ肉なのか、いのししの肉なのか分からないがあるし。三菜は勿論、マツタケもあるじゃない!やっぱり山よね。クゥ~~~!嬉しい~~♪
海も良いけど、やっぱりこの季節は山よね~~!
私は料理にパクついている最中、「徳山!仲居さんに酒の追加を頼んでくれ!」と専務。
「は~~い!」と私が返事をしたのだが、酒っていっても皆さんはまだ飲むつもりか!
そして仲居さんは次から次へと日本酒やビールを持って来てくれた。
そうなると私だけが飲めないから自然に皆にお酌をして回る羽目になったのだ。
私はまるでホステス?いやコンパニオン。
酔った皆の話しは家族のことやペットの自慢大会しておられます。
山田なんかは料理の写真ばっかり撮って、オタクそのもの。
山田さん曰く「この料理をブログに載せるんだ!」なんて、まるで女の子みたいじゃないか。
その点、女性陣は「わが社のトップは~」云々と企業に関する話しを玲子先輩が中心となって私たちにレクチャーされておられます。
このとき、私は何故に玲子先輩が上座に座ったか納得したわけなのよ。
ウチの三課は玲子先輩が影の課長ではないかと。
そして時間がどの位経ったのかは分からないけど酔いつぶれてその場でイビキをかいている者もいる。私は寝る前にもう一度、温泉に入りたいから玲子先輩と俵女史に「温泉に行きませんか?」と聞いたのだ。
先輩たちは「そうね。このままだと朝にになるわね。行きましょう!」という事で女性陣はお風呂へ行ったわけだ。
温泉って何回入っても気持ちが良いものよね!他のお客さんがいなくて私たち三人の貸切みたいだったから玲子先輩や俵女史ともお湯の掛け合いなんかもして楽しかった!
そして部屋に戻ったら布団も敷いてあるから私は気持ちよく寝転がったの。
玲子先輩と俵女史が「明日は・・・・散歩・・・」と何か言っていたようだったけど私は疲れも手伝ってそのまま寝てしまったから、その後のことは私は知らない。
でも、先輩は何を私に言っていたんだろう?
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by everlasting-lif | 2014-03-28 03:03 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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