報告後の三課での内緒話し。

凛子ちゃんからの「デート報告」があってその日の夕方、部署で話し合いが行われた。
勿論、彼女には内緒。彼女が帰ったあとで片山くんにも参加させてね。

「片山、どうだったんだ?」
「まぁ、今回は小山と二人だけの時間は何とか阻止できましたよ。」
「ところで、彼女が話したことは本当なの?」と私、玲子が聞く。
「本当だ。彼女はウソは言っていないよ。」
「それにしても農業祭でデートなんて今まで聞いたことがありませんけど。」と俵さんが言う。
そりゃ、そうでしょう!私だって今までにいろいろなパターンのデートの形は知っているけど農業祭でなんて聞いたことがないわよ!
「それにしても何だな、片山。また思い切ったことをしたもんだ。人のデートの邪魔なんて普通はできやしないぞ!」と専務。
私もそう思うわよね。なんせ人の恋路を邪魔するようなものだもの。私は反対したんだけど、やっぱり彼は凛子ちゃんのことが心配だったのね。分からないことも無いけどホント、恋は盲目とでも言うのかしらね。
「あの、少しいいですか?片山さん。ところで小山さんと凛ちゃんの様子から見てどうでした?」と俵さん。
「う~~ん... ...彼女の様子からみてヤツとの交際はわけが分からん。ほら彼女って初めて男と交際をしただろう。まだ、交際っていうものが分からないんじゃないか?」
「だが、交際って交際だろう?」と新堂さんは言うけど。
「もしかして凛子ちゃん自身が小山さんのことが好きとかじゃなく『デート』に興味があるのではないですか?」と早乙女君。
「ああ~~なるほどね~~!そうか、そういう意味にも取れる。」と小野君が言う。
確かに小野君のいうように彼女は「デート」に興味があるのかもしれないわね。
それに小山だって一応は「付き合って下さい。」と交際を申し込んで始まったんだものね。
そして彼女は初めてのことで嬉しさのあまり好きなのかどうかもよく分からないまま小山と交際したんだと言う事だわ。
片山君が小山のように早く彼女に打ち明ければよかったものの、今になって片山くんが焦っても仕方がないわよ。ホント、バカな男よ片山君は。



「じゃ、彼女は『デート』という言葉に惹かれたということか?」と片山君。
「そう。小山は一応は交際というプロセスを踏んでいるから、それに彼女だって初めてなんでしょう。だから憧れとでも言うのかしら?片山君。」
「... ...では、オレはヤツより先に彼女と交際のプロセスを踏んでいたら今頃は... ...」
「正解!あなたがモタモタしていたからこうなったの。もっとシッカリしなさいよ!」
「片山、須藤の言うとおりだ。お前がボヤボヤしていた結果だな。」
「片山さん、ところで小山さんはどういう方でした?」と俵さん曰く。
そうよ!小山だわ。いったい小山はどんなつもりで彼女と付き合ったのかしら?小山は彼女のことが好き?それとも、ものもの珍しさからくるものなのかしら?
小山と凛子ちゃんって不釣り合いよね。まぁ、片山君とも不釣り合いだけど。
「アイツか。オレが見た限りでは何を考えているのかは分からん。何故、凛子ちゃんなんだろう?アイツなら黙っていても女は寄ってくるだろうが。でも、アイツって太っ腹だよ!普通、デートをしていてオマケが一緒って誰もが嫌だろう。それなのに小山はオレと一緒でも何も言わないんだ。それってどうだろう?普通じゃないよな。」
「う~~ん、よく分からん。」と専務。
「あの~~、僕は詳しいことは分かりませんが、ココは小山さんにハッキリと直接聞いたらどうでしょうか?」と早乙女君。
「エッ?直接、聞くって、何を聞くんだ?どうやってだ?」と新堂さん。
「じゃ、誰が聞くんだ?」と藤堂さん。
「それは... ...」
「そうよね。早乙女君が言いたいことは分かるわ。でも、誰が聞くかよね。」と私。
「そうだ!専務が良いかと思います。」と俵さん。
「俵、何故俺なんだ?」
「だって三課の凛ちゃんですから。それに専務は三課の上司です。ここは三課の代表として小山さんに何故、凛ちゃんと交際したのかとか将来のことを考えているのかとか色々です。」
「... ...俺は聞けないよ。プライベートの事なんか聞けるわけがない!そうだ!片山が聞けば良いだろう。なんたって小山とは恋敵だからな。」
「オレが?... ...」
「そうよ!片山君が聞けば良いのよ!あなたが一番、気になるんでしょう!私たち三課の皆が応援してるから!」と私は片山君にハッパをかけたのだが... ...
「... ... ... ...」と無言になった片山君。
「それはそうと、小山さんのことはどうなったのだ?」と新堂さんが仰った。
そう言われてみると小山のことは分からない。ただ分かっている事は彼は会長の孫で多数の彼女がいる。そして凛子ちゃんと付き合う意味は不明。だけど、私は小山がどんな人間でも気にしない。要は小山から凛子ちゃんを引き離せばいいだけよ。
まぁ、彼だって凛子ちゃんに交際を申し込んだ事に意味があるはず。その意味が知りたいだけ。
だから私は片山君にもっともらしい理由で小山に聞くことを助言した。
「片山君、彼に凛子ちゃんのどんなところが好きになったのかを聞いてみたらどうかしら?それのほうが片山君だって納得できるでしょう。」
「彼女のどこが好きだってか?... ...もし、ヤツが凛子ちゃんのすべてが好きだ!と言ったらどうしよう... ...」
「... ... ... ... ... ...」
はぁ~~~!馬鹿じゃない?
彼のこの言葉で皆は呆れてものも言えない。
本当にこの馬鹿を説得させるにはどうしたら良いかを専務を中心に考えたことは言うまでもない。
勿論、お馬鹿な片山君を除いてだけどね。

だけど、凛子ちゃんは小山とのデートの報告をどう思っているのかしら?
聞けば一から十まで話してくれるってどうかしら?
まぁ、そこが彼女だけど... ...ホント、不思議な子だわ。
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by everlasting-lif | 2014-03-23 22:17 | 雨のち時々晴れ。

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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