それぞれの思い。2

今、僕は徳山さんと片山和人と同じテーブルで食事をしている。
だけど、これはおかしいのではないのか?どうして、この男と同じテーブルで食事をしてるんだ?
今、僕たちはデートをしているんだ!それなのに、片山が行き成り加わって徳山さんの隣に座って... ...
許せることではない!この男はいったい何を考えているんだ!
それに徳山さんもだ!僕が傍にいるのにもかかわらずヤツと楽しく話しているではないか!
そんな事を考えているときにヤツの「野菜のてんぷらセット」が来たのだ!
案の定、ヤツはセットを徳山さんに見せている。
徳山さんも「すご~~い!美味しそうですね!これは何ですか?」などと話題はてんぷらなのだ。

「さあ、凛子ちゃん。てんぷらが来たよ。君の好きなものを食べてね。(ニコニコ)」とヤツは笑顔で言う。
「先輩!本当に良いのですか?」
「勿論だよ!」
「じゃあ... ...これ!これ下さい。」
「良いよ。(ニッコリ)」
「代わりに先輩は野菜炒めのコッチ側を食べて下さいね。(ニコニコ)」
なんだ!この会話は!僕が君の目の前にいるというのに、ヤツと半分ずつなどして!
でも、我慢だ。僕は紳士なのだからこんな事では怒れないのだ。
いつも笑顔で、笑顔で... ...



「小山さん、どうしたのですか?なんか顔が強張っているみたいですけど気分でも悪いのですか?」
「えっ、僕はいたって健康だけど。何故?」
「だって顔色が悪いように見えるから、気分が悪いのかなって思っただけです。」
まずい!僕の気持ちが顔に表れていたのか?気を付けなければ。ヤツのいる前だけは普通にしなくてはならないのだ!
「小山君、本当だ!顔色が悪いよ。君はこのまま帰ったほうが良いのではないかな?」
「片山さん、お気遣いありがとうございます。でも、僕はいつも健康ですから。」
「小山さん、本当に大丈夫ですか?なんなら私、このまま帰りますけど。」
「徳山さん、本当に大丈夫だからね。ありがとう。(ニッコリ)それよりも、ランチを食べた後はどこへ行く?」
「そうですね。どこでもいいです。小山さんが行きたいところでお願いします。」
「そうなんだ!じゃ、カフェでも行こうか?ココではデザートやお茶もないしね。」
「そうですね。じゃあ、そうしましょう!」
「そうだな、じゃオレも一緒に行こうかな?」
「はぁ~~!?片山さん... ...」
「凛子ちゃんはどう?オレも同行しても良いかな?」
何を考えているんだ!この男は!僕たちは今、デートをしているんだ!
今、デート中にも関わらず僕たちと同行って... ...空気を読め!馬鹿男が!
そして徳山さんもだ!何を考えているのだ?
はっきり「イヤです。」と言いなさい!
「先輩、私は良いですけど小山さんの都合もあるし... ...」
なんだと!彼女は「良いです。」と言った!良いですとは一緒にお茶をするってことだ!
いったい彼女は何を考えているんだか... ...やはり異性人だ。
「で、小山君はどうだ?凛子ちゃんからはOKをもらったけど。」
「... ...では、ご一緒に」
クソ~~!なんでヤツが付いてくるんだ!おかしいと思わないのか徳山さん!
そして僕たち三人でデートとも言えないデートをすることになった。


うわ~~!来たよ、来た!片山先輩の「野菜のてんぷらセット」が!
なんて美味しそうな顔をしている野菜たちなのだ!誰かが言った「野菜の宝石箱」とはこのことを言うのかもしれない。
片山先輩は「好きなのを食べて良いよ!」と言ってくれたから、思わず「コレ!」と声が出てしまった。恥ずかしいけど一度は食べてみたかった「トマトのてんぷら」
こんなトマトがてんぷらにできるなんて知らなかった~~!一つ発見!家でもやってみよう。
トマトのてんぷらなんか未知の味だし... ...
私は未知との出会いをした。そして口に入れたら... ...ウワァ~~~美味しい!
トマトって油で揚げるとベタベタしていると思っていたけど、そんなことはない。
トマトの甘味が口の中でパッ!と広がるぅ~~~~!
「凛子ちゃん、美味しい?」と先輩が聞いてくれた。
「ハイ!美味しいです。私、今日は未知との出会いをしました!」
「はははは・・・・・良かったね。(ニコニコ)」
「先輩、コレが食べたかったんじゃなかったのですか?」
「良いんだよ。凛子ちゃんに食べてもらってトマトも喜んでいるよ。」
「ヘヘヘヘ・・・・・先輩!嬉しいです。ありがとうございます!」
「良かった。(ニコニコ)」
「先輩、こっち側の野菜炒めを食べて下さいね。」
「ありがとう。(ニッコリ)」
「どうですか?美味しいでしょう~~!」
「ホント、こっちも美味しいね。(ニッコリ)」
... ...視線を感じる... ...ハッ!小山さん... ...
私と片山先輩で半分ごっこをしてるときに小山さんに変化が。なんか体調が悪そうだ。
それに顔色が悪いじゃないの!もしかして私が無理やり農業祭なんか連れてきたからかな?
こんな事はしてられない!一刻も早く小山さんには帰って休んでもらわなければいけない!
だから念のために私は小山さんに聞いたの。
だけど彼は「大丈夫だよ。」って笑顔で優しく言ってくれた。
おまけに「次はカフェに行こうと!」とまで言ってくれたし、だから小山さんの体調は良いと読んだ。きっと、小山さんはこんな「農家のレストラン」なんか生まれて初めてだろう。
きっと、こんなレストランもあるんだって驚いているだけ。
少し、現実離れをした世界に見えるんだと思う。それに彼にしては未知の世界での緊張からくるものかもしれない。
でも、片山先輩がいてくれたお蔭で私と小山さんの気まずい雰囲気から解放されたから嬉しい。
あとは三人でカフェでお茶をするだけだ。
それよりも、後で行くカフェで何を頼もうかな~~♪

オレは偶然を装ってココにいる。勿論、凛子ちゃんのと・な・り・に座っている。
小山は余分だが。だけど、凛子ちゃんから「野菜炒めをどうぞ!」と言われたときは小山に勝った!と思わずにいられなかった。
そのときの小山の顔ときたら唖然としていたのだ。クッ、クククク・・・・・
さすが凛子ちゃんだ。一切、小山のことは気にならなかったみたいにも感じた。
彼女、彼氏より「食い物」のほうが数段と良いようだ。
だから、オレは彼女に「好きなもの」を一番に選ばさせてあげた。
すると彼女は目を輝かせて「これ!」と迷わずトマトのてんぷらを取った。
やはり、彼女を落とすなら「食べ物」だ。それも「和食」で「ボリューム満点」安けりゃ尚、良い。
オレと彼女のひと時の楽しい時間は一時だった。
あの小山の所為で壊れてしまったのだ。本当にオレたちは良い雰囲気だったのに!
それも彼女は小山の顔をみて心配をしていた。
一度、オレも心配をしてほしいよ。でも、彼女は優しいよな。こんなときでも誰かの心配をしてくれるっていうことは、それだけ皆に気を配ってくれている証拠だ。
確かにアイツの顔色は悪かったのは事実。彼女は心配の余りだと思うがアイツに「帰れ」と言ったように思う。それなのにアイツときたら「大丈夫だよ。」なんてぬかすではないか!
アイツが「帰る」と言えばオレは彼女と楽しいデートができたのに!
そこでオレは考えた。このまま二人だと彼女が心配だ。だからオレは同行を求めたのだけれど彼女の答えが心配だった。もし「イヤです。」と言われたらどうすればいいのかと思案していたが嬉しいことに凛子ちゃんは「良いです。」と言ってくれたのだ。
だが、ヤツはと言えば迷惑そうな顔を見せた。当たり前だ!彼女とデートをしている時に関係ない男が同行するって見たことも聞いたこともない。オレだってイヤだ!
だけど、アイツは彼女の言葉にしたがった。
後でカフェに行くと言っていたが彼女、今度は何を注文するんだろう?
カフェでも彼女と違うものを注文しなくては!
そして、また彼女から「半分ずつしましょう!」と言ってもらいたいよな。
クククク・・・・・楽しみだ!
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by everlasting-lif | 2014-03-16 20:07 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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