先輩の彼女さん達。

ウソ!ウソでしょう~~~!
私は今、迷子さんです。西も東も分かりません!おまけに夜だし。
知らない都会でただ一人、たたずんでいるのは怖い。それに今、気付いたんだけど酔っ払いのオジサンが声を掛けてくるほどの場所。
私は父の教えを思い出して原点に帰ることにした。そう、あのラーメン屋さん。
でも、私は浮かれていたからどこをどうやって歩いて来たのかも分からない!
今、恐怖心が出て自然と涙も出てくる。片山先輩はもう彼女さんと帰ったかもしれないし二人で何処かの店に行ったのかもしれない。でも、兎に角さっきのラーメン屋さんを思い出して歩き続けるしかないのだ。
歩き続ける事分からん!でも、なんとかラーメン屋さんにたどり着いて令子先輩の携帯にメールを入れた。令子先輩からの返信は早い!「そこで待っていること。決してそこの店から離れないこと。」とのメールで落ち着いた私。
令子先輩は「何故、片山君と一緒じゃないの?それに片山君はどこに行ったの?」と聞かれたから私は正直に話すしかなかった。それに対して「もう~~!本当にバカなヤツ!」とも言っていた。
私としては片山先輩と彼女さんとの仲を壊したくないもん。
不安な気持ちがマックスだけど令子先輩から叱られる覚悟も出来たし、あとは令子先輩が迎えに来てくれることのみを祈るしかないのだ。本当に数時間前までの「ラッキー」という気持ちは何だったんだ?今じゃ「アンラッキー」としか言いようがない。私を幸せにしておいて短時間で不幸に落としていまうなんて神様は酷い!



ラーメン屋さんで待つこと数十分。
「凛子ちゃ~~ん!」
誰?誰かが私を呼んでいる声がしたじゃないか!
そしてこっちに走って来るのは片山先輩。
「凛子ちゃん、ごめんね。」
「せ... ...先輩... ...先輩~~!」
私は嬉しさのあまり片山先輩に泣きながらしがみ付いてしまったの。
「凛子ちゃん、本当に悪かったね。」と言って私の髪を撫でてくれている。
「本当に怖かったね。こんな所で凛子ちゃんを一人にさせたオレが悪いんだ。」と先輩は優しく言ってくれる。が、あの「陽子さん」はどうなったんだ?なんて考えている私もいる。
そしてその日は先輩に駅まで送ってもらい家路に急いだ私なのだが。
「本当に凛子ちゃんの駅まで送らなくてもいいの?」と優しい言葉をかけてくれるけど私は丁重にお断りしたのだ。だって、会社のある駅で樹が迎えに来てくれているもの。
これ以上、先輩に迷惑はかけられない!
そして私は樹の姿を見てホッ!とした。帰りの電車の中で樹にいっぱい叱られたのは言うまでもない。

先輩と悲しき夕食に行った日から二日後に社の受付嬢からの連絡で誰かが私に会いたいと面会に来られた。
私は頭を傾げながらロビーに行くとそこには、あの「陽子さん」が待っておられた。
陽子さんは私にニコニコを微笑みながら歩いてくるの。それに高いヒールの音をコツコツさせてね。
「あなたが徳山凛子さんね。私、渡辺陽子よ。ヨロシクね。」
「... ...よろしくお願いします。」
「ホホホホホ・・・・・あなたが凛子さんなのね。お会いできて嬉しいわ。」
「... ...私もです。」
「凛子さんってどんな方かと思えば案外、普通の方だったのね。」
「... ...まぁ、普通ですが。何か私に用事でも... ...私に用事があるのでしょうか?」
「いいえ、あなたがどの様な方なのか見に来ただけよ。フフフフフ・・・・・」
「見に来ただけですか... ...」
「そう。でも良かったわ~~。あなたが普通の方で。では御機嫌よう徳山さん。ホホホホ・・・・」
「御機嫌ようでございます。」

彼女、陽子さんは笑いながら社から帰って行かれた。
だが、何故?何故に私の顔を見に来るのだ?私は普通だ!いや、不細工かもしれない。
まぁ、どっちでも今は関係ないけどね。あの陽子さんって女性も不思議な人なのだ。
令子先輩を筆頭に秘書課のお局さんといい陽子さんといい、片山先輩の彼女さん達って意味不明な方ばかりなのだと気付いた私。
片山先輩も変わった人だから彼女さん達も変わっているのだと思う。
だって「類は友を呼ぶ」ということわざだってあるんだし。
私が三課に戻ろうとした時に「徳山さん!」と呼び止める声がした。
私が振り返ったときに。ソコには秘書課のお局さんが私の方へ来る。やっぱりコツコツとヒールを鳴らしながら。
「あなた!今、誰と話してたの?教えなさい!」
「今の方ですか?渡辺陽子さんと仰る方ですが。」
「あなたの知り合いなの?」
「いいえ。この前初めて出会って今日で二度目ですが。」
「何故、あなたに面会に来られたのかしら?」
「さあ~~分かりません。なんでも私の顔を見に来られたようです。」
「顔を見に来られたって?... ...」
「先輩、私 仕事がありますから失礼します。」
「アッ!... ...」
お局さんと訳の分からない話しを延々とされても困る私。だからちょうど目の前で開いたエレベーターに急いで乗ったから助かったわけなんだけど、今日は何の日なんだ?
次から次へと片山先輩の彼女さん達に出会う日のようだ。
三課に戻った私の席へすかさず令子先輩が来て「誰と面会だったの?」と聞かれた。
「なんでも渡辺陽子さんという方です。」
「それで彼女、あなたに何か言ったの?」
「陽子さんって方は私の顔を見に来たと仰ってました。そして『普通の方ね。ホホホホ・・・・』です。」
「それであなたは何と言ったの?」
「別に何も。ただ陽子さんは御機嫌ようを仰ったので私も御機嫌ようと挨拶をしただけです。それが何か?」
「いえ、良いのよ。ご苦労様でした凛子ちゃん。」
「... ... ... ...」
令子先輩がおかしい。私に面会だという渡辺陽子さんのことが気になる様子。
片山先輩の彼女さんの一人としては心配なのだ。きっとそうに違いない!
「令子先輩。先輩のほうがすっと綺麗だし魅力ありますから大丈夫です!」と私は令子先輩に励ますように声を掛けた。
令子先輩はキョトンとした顔をしていたけれど... ...まぁ、私の好意に驚いただけだと思う。
それから数日後にまた別の女性が私に会いたいと連絡があった。
またもや社のロビーでだ。
「あなたが徳山凛子さんね。私、小川美鈴。」
「... ...私が徳山凛子です。」
「そう~~あなたね。フフフフ・・・・良かったわ~~!」
「はい?何が良かったのでしょうか?」
「ホホホホ・・・・あなたが普通の方だったから安心したわ。じゃあ、さようなら。」
「... ...さようなら。」
小川さんと仰る方は私を見てまたもや「普通の方」と。おまけに「安心したわ。」と付け加えた。彼女の帰る後姿は高いヒールを、これまたコツコツ鳴らしながら。
片山先輩ってよっぽどヒールの高いのがお好みか?
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by everlasting-lif | 2014-02-13 09:20 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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