先輩、お疲れ様です。

先輩が今日来て、畑仕事を手伝ってくれて無事に一日が終った。
先輩がした仕事は草刈とトラクター磨きだけ。それだけで一日が終った。
こんな人は今まで見たことはない。はっきり言って農業は不向きだ!
だけど、そこは先輩。先輩が農業がしたいと言えば、下っ端の私は快くでもないが「どうぞ。」というしかない。悲しいかな先輩後輩の上下関係なのだ。
だけど、今日一日先輩をみていたら本当にこの人は要領が悪いというかなんと言うか!
一日かけて草刈とトラクター磨きで時間を費やすとは情けない。それに私が身内だったら「どうしてこれだけしか出来ないのよ!あんたはバカか?もっと頭を使え!」と言っていただろう。
父は父で先輩に「農家の仕事は地味だけど難しいだろう。家庭菜園とは違うんだ。」と、まるで先輩に「もう来るな!」と言っているように私は受け止めた。
だけど先輩は「いえいえ、勉強になります。」と言って父のイヤミが分からず。
でも、そこもなんとかクリアして夕食となった。
母は先輩が好みなのか「今日はお疲れ様でしたわね。ホホホホ・・・・」と笑顔を振りまいている。
そして夕食の献立rは「すき焼き」なのだ。ウチではというよりこの地域では来客があると必ずて言っていいほど「すき焼き」をする。私は子供の頃から何故、すき焼きなのだ?外食という選択しはないのか?なんて思っていた。一度、樹にその事を話すと「そりゃ簡単だから。」との答え。
確かに簡単で野菜はウチの畑に転がっている。それに見た目は豪華だ。
父曰く「戦前戦後はすき焼きなど絶対に食べれなかったものだ。」が口癖。まるでお祖父ちゃんみたいだよ。あんたは今、何歳なんだ?
父よ、今は飽食時代。すき焼きはご馳走ではなくなりつつあるんだ。と声を大にして言いたいけど言えない私。
おまけに今日の肉は高そう。きっと母はフンパツしたんだ。
だけど、この母も新婚当初は何も作れなかったという。
父が言うにはかなり資産家のお嬢様だったという。母専用のお手伝いさんもいたらしいから本当のお嬢様なのだ。その為に母方の両親からは大反対をされて、母は家出をしてきたらしい。
どうりで母方の祖父母の顔は知らないわけだ。
まぁ、過去はどうあれ今、私と樹がこの世にいるのはこの人達のお蔭だけど。
だけど、このおっとりしている母にどこにそんなパワーが隠されているのかが聞いたい。
だけど聞けない私。だって昔を思い出されても困るじゃないの。優しい娘だよ、ホント。
そしてすき焼き鍋を囲みながら先輩は「こんな美味しいすき焼きは食べた事がないです!この野菜といい新鮮で美味しいですね。(ニコニコ)」と言った。
「そうだろう!俺が丹精込めて作った野菜だからな。ハハハハ・・・・」と父曰く。
私と樹は黙ってモクモクと食べている。
そんな時に先輩は「凛子ちゃんが羨ましいよ。」とつぶやいた先輩。
「どうしてですか?先輩こそ都会で生活されてて全てが洗練されてますよ。」と私。
そんな時に母がとんでもない事を言った。
それは... ...







「ところで片山さんは凛ちゃんと同じ部署の三課なの?」
「いえ、ボクは営業一課です。でも、毎日 昼食は凛子ちゃんの部署で食べています。」
「そうなの。... ...って事は、凛ちゃんの彼氏なのかしら?」
「お、お、お母さん!何、言ってるの!先輩は須藤先輩という彼女さんがいるのよ!もう~先輩が迷惑でしょう!何を考えているのよ、お母さん!」
「そうなの?私はてっきり凛ちゃんの彼だと思っていたわよ。ごめんなさいね。ホホホホホ・・・・」
もう、ビックリしたわ。母よ!どこをどうしたら片山先輩が私の彼氏に見えるのよ!
「本当にすみません。母は世間の事に疎いもので。それに先輩の彼女が私なんかじゃイヤですよね。」
「... ...(イヤじゃない!むしろ嬉しい!)」
「まぁまぁ、そんな事は置いといて、さあ~食べてね~♪」と、母が言う言葉か!
そんなこんなで父が「片山さん、今日はありがとうございました。」と礼を述べた。
「いいえ、お父さん。ボクのほうこそ急な訪問にも関わらず色々と教えて頂きましてありがとうございます。おまけに美味しい過ぎるすき焼きまでご馳走になって。」
そして楽しいとも言えるような言えないような時間が過ぎて今、21時になろうとしていた。
そんな時に母が、また変な事を言った!
「片山さん、お風呂が沸いているからどうぞ。」
はぁ~~?母よ。アンタは何を言ってるのか分かってるか?
そんな言葉に樹が「オフクロ、今から片山さんにお風呂に入ってもらっていたら終電に間に合わないよ。」
樹!良く言った!褒めてやろう!
「でも、今晩は泊まって行けば良いじゃない。ねえ、片山さん。」と、しつこいように言う母。
「ダメ!片山さんは帰らなければならないのよ!それに先輩だって迷惑だわよ。ねえ、先輩」
「いやぁ~、ボクは別に泊まっても良いけど。凛子ちゃん。」
「ダメ!絶対に帰って下さい。そうでないと須藤先輩が嫌がるじゃないですか!私、須藤先輩に睨まれるのだけはイヤですからね!」
「... ...須藤か... ...」
「先輩、須藤先輩が待っているんじゃないんですか?(ニッコリ)」
帰るのが当たり前だ!ウチに泊まったと須藤先輩が知れば私は殺されるよ!
「片山さん、また来てくださればいいですよ。」
「そうですか!また来ても良いのですか?お父さん!」
「勿論です。俺の畑で良かったら何時でも来てください。」
父よ、そんな事を言っても良いのか?わたしゃ知らんよ!
「そうよね、お父さんもそう仰って下さっているのですもの。片山さん、また来て下さいな。ホホホホ・・・・・」と母までもが言う。
そして最終電車に乗るために先輩はバタバタしながら着替えた。
母は私に先輩を駅まで送れと言う。駅までの道のりは10分。いくら慣れた道だと言えど、駅までは先輩と一緒だから良い。でも、帰りは私一人。駅までの時間は10分。だけど私は若い。それも女。ピチピチの年頃の女なんだ!
もし、私が夜道で襲われることにでもなったら... ...恐ろしい!
「樹、一緒に行ってくれる?」
「勿論!ねーちゃん。」
さすが、我が弟よ。
玄関で両親に見送られながら私と樹と先輩で駅へ向かった。
駅までの道すがら先輩は今日の仕事の感想を話して楽しそう。
だけど、私は疲れた。きっとウチの家族は全員、疲れていると思う。
そして先輩が帰り際に「また来るから!その時はヨロシクな!」
「... ... ...お待ちしています。先輩」
ゲッ!私は先輩に何を言ってしまったんだ!心と裏腹のことを言ってしまったじゃないか!
そして私は「先輩、お疲れ様でした。」というほか無かった。

私の感想は、もう来て欲しくない!
そして樹は「バカか!ねーちゃん」
本当に私はバカだ!


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by everlasting-lif | 2013-12-27 22:06 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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