てんやわんやの土曜日。

「先輩~~!」
「凛子ちゃん。迎えにきてくれてありがとう!」
「... ...(本当に来たよ!この人。なんで、来るの?)」
「凛子ちゃん、もしかして俺が来たのは迷惑?」
「い、いいえ。助かります。」
「良かった!もしかして俺が来たのは迷惑かな?なんて思っていたんだ。(ニッコリ)」
「... ...とりあえず、私の家で着替えて下さい。」
「着替えるって?」
「エッ!... ...まさか、先輩はその格好で畑をするつもりなんですか?」
「そうだよ。その為にスニーカーを履いてきたから。」
「先輩... ...とりあえず、家に行きましょう!」
そして私は片山先輩と家に向かって歩いている。
だが、ここは田舎だ。この田舎に似つかぬ背の高い男が私と一緒に歩いている姿を見た町の人は... ...口は人から人へと... ...明日はビッグニュースだ、こりゃ。
「凛子ちゃん、本当に畑と田んぼだらけだね。」
「そりゃ、田舎ですから。この田舎にビルは似合わないでしょう、先輩。」
「いや、そんなつもりで言ったのではないんだよ。」
「別に気にしてませんから。」
「... ...ごめん。」
「いいです。別に謝って頂かなくても。」
そして家に着き、私は先輩に着替えるよに言った。
「先輩、着替えて下さいね。私は向こうに行ってますから、着替えたら声を掛けて下さい。じゃあ。」
「アッ!凛子ちゃん、このままで良いんだけど。それに俺、着替えなんて持ってきてないんだけど。」
「はぁ~~?まさかと思いますが、その格好で畑をするつもりで?」
「ダメかな?」
片山先輩って何を考えているんだ?「畑」だよ!家庭菜園じゃないんだよ!




「先輩、これから畑を手伝って頂くのですが、服が汚れても良いのですか?」
「まぁ、仕方がないな。ハハハハ・・・・・」
「先輩、ちょっと待っていてくれますか?」
「良いよ。(ニコニコ)」

私は樹の古い服、まぁ捨てても良い服を探しに行った。
先輩の格好では「服」が余りにも可哀想だ。
そして、倉庫をゴチャゴチャと探していたら... ...
「ねーちゃん。何してるんだ?」
「樹!ねえ、アンタの要らなくなった服はないの?あればお姉ちゃんにちょうだい。」
「要らない服って?ねーちゃんが着るのか?」
「違うわよ!お姉ちゃんの会社の先輩がね、どーしても畑がしたいと言うから来られたのよ。それに先輩は着替えも長靴も持ってきてないって言うからさ。」
「... ... ... ...」
「ねえ、樹。出してよ。」
「... ...分かったよ。」
そして、樹は服と長靴を出してくれた。
まぁ、樹も背が高いから先輩も大丈夫だろう。
そして私は樹の服と長靴を持って先輩の所へ駆け寄ったの。
「片山先輩、ハイ!これに着替えて下さい。弟のだけど多分、大丈夫だと思います。」
「良いの?では、遠慮なく!(ニコニコ)」
そして先輩は樹のお古を着て私と一緒に畑へと行ったのだ。
畑へ行くと父が怪訝そうな顔をして頭を下げた。
そりゃ、先輩は樹のお古を着て... ...プッ!クククク・・・・まるでカカシだ!
そうなのだ、先輩は手足が長い。私は笑いをこらえて普通に「先輩、似合ってます。」
「そうか?似合うか?」と先輩曰く。

「お父さん、こちらは私の会社の先輩で片山さん。」
「先輩、父です。」
「初めまして、『お父さん』僕は片山和人と言います。この度は、凛子さんに無理なお願いをして申し訳ございません。ですが!一生懸命に畑を手伝わせて頂く所存であります!」
「... ... ... ...い、い、いつも凛子がお世話になって有り難うございます... ...」
「お父さん。先輩に草刈でもしていただいたら?」
「そ、そう、そうだな。片山さん、ではあそこの畑のあぜ道の草刈をお願いします。」
「ハイ!あそこですね。『お父さん』」
「よ、よろしくお願い致します。」
そして先輩は草刈をしに今、私たちがいる所よりも少し離れた畑へと行った。
「凛子、あの人は会社の先輩だと言ったがあんな人でも畑をするのか?」
「そうなのよ!私もよくは知らないんだけど先輩って畑が趣味なのかも?」
「そうか... ...」

「ワッ!... ...」

ワッ?ワッって何?暫くすると先輩が「ワッ!」と言う声が聞こえた。
「せんぱ~~い!」
私と父は急いで先輩のいる畑へと走っていったらなんと!そこには小さな蛇が。
「先輩?どうかしたんですか?」
「り、り、凛子ちゃん... ...あそこ... あそこに、あそこ... ...」
「あそこ?あそこって何処?」
「君は見えないのか!あそこだよ!」
「ああ~~。蛇じゃない。もう、驚かさないで下さいよ。先輩。」
「片山さん、あの蛇は毒はないから咬まれても死なんよ。」
「でもですね!お父さん!蛇なんですよ。蛇!」
「もう~~~!蛇ぐらいでギャアギャア言わないで下さい!私が追っ払ってきますから!」
そして私は小さな可愛らしい蛇を捕まえて向こうにほり投げた。
本当に、蛇くらいで情けない先輩。
「... ...凛子ちゃんって凄い!」
「先輩、もう蛇はいるかもしれませんが大丈夫ですから。もし、蛇や他の虫がいたら呼んで下さい。それに、男のくせに蛇一匹で叫ばないで下さいね。お願いしますよ。」
そして、それからの先輩は幸いにも蛇に遭遇もなくせっせと草刈に精をだしているようです。
「凛子、あの片山さんって蛇は嫌いなのか?蛇が嫌いでは畑は出来んよ。」と父曰く。
「どうせ、家庭菜園しかしたことがないのよ。だけど趣味だから仕方がないじゃない。まぁ、適当に仕事をさせとけば良いわよ。そのうちに畑仕事の大変さが分かって帰るわよ。お父さん、今日一日の辛抱だから。」
「お前がそう言うのなら簡単な仕事をしてもらうよ。」
「うん。」
そして私たち3人はせっせと畑仕事に没頭していた。
すると「ねーちゃん、俺も草刈をするよ。」
「有り難う。樹、あそこにいる先輩の所へ行って手伝ってあげてほしいのよ。先輩、草刈もしたことが無いんじゃないかって言うくらいに進んでないの。」
「... ... ... ...」
「樹、早く行ってあげて。あの先輩は蛇が怖いらしいしから、もし蛇やその他の虫がいたら追っ払ってあげて。」
「はぁ~~?俺が何故... ...」
「いいから行ってあげて。」
「... ... ... ...」

そして樹は嫌々ながら先輩に所へ行ったように見えた。
先輩は樹に気がついて笑顔で何か話している。
樹はというと... ...弟は後ろを向いているから顔は見えない。でも、座り込んで草をちぎっている様子だからそれなりに先輩と楽しく話しながら作業をしていると思う。いや、そう思いたい!
それから暫くして... ...
「ねーちゃん、やってらんない!」と言う樹。
何?いったい何があったんだ?
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by everlasting-lif | 2013-12-15 02:26 | 雨のち時々晴れ。 | Trackback | Comments(0)

いろいろな出会いがあって、楽しい事も考える事も。たまには悲しいことも。後悔も。


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